まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 テティウスが取り出したのは、オートミールであった。そのほかに肉の塊やら、野菜やらを取り出す。

「な、なんだよ……肉の塊って……って言うか、どこから出したんだよ!」
「ぼく、てんさいまじゅつし。すごいでしょ。それよりちゅーぼーにつれていって」

 ここは、子供達を保護している施設であろうことは見ればわかった。テーブルに並ぶのは、少しだけ具の入ったスープと、硬そうなパン。十人近くの子供達がいたけれど、皆、疲れた顔をしている。

(……子供にあんな顔をさせちゃ駄目だろ)

 厨房の設備は古かった。竈に残っていた火をミケルにもう一度大きくさせている間に、野菜を刻む。ベーコンを鍋に放り込んで香りを移す。肉を薄くスライスして鍋に入れ、刻んだ野菜も入れたらあとは煮込む。ことこと煮込む。
 具材に火が通ったら、今度はそこにオートミールを入れる。塩で味を調えれば、オートミール雑炊の完成だ。

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