まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
市場を手伝ったぐらいで金貨を持ち帰るのは不自然だと、それは使わずに銀貨五枚だけ使って食材を買ったらしい。金貨の入ったままの財布を、院長は伯爵に差し出した。
「銀貨五枚は、なんとしてでもお返しいたします。ですからこの子――」
「いんちょうせんせい、ぼくきのういったでしょ? わるいことしたのはミケルでいんちょうせんせいじゃないよ」
「……わかってる」
むっすりとした顔のままだったけれど、ミケルも口を開いた。
自分のしでかしたことが、言い訳もできない悪いことであるときちんと理解しているらしい。
「……それで、テティウスよ。ここに伯爵を呼んだのはどういう理由だ?」
「うん。ぼくね、はくしゃくもよくないとおもうの。だって、いんちょうせんせいのところでくらしているこ、えいようがたりなくておなかすかせてた」
「しかし、市場ではふるまいを」
「銀貨五枚は、なんとしてでもお返しいたします。ですからこの子――」
「いんちょうせんせい、ぼくきのういったでしょ? わるいことしたのはミケルでいんちょうせんせいじゃないよ」
「……わかってる」
むっすりとした顔のままだったけれど、ミケルも口を開いた。
自分のしでかしたことが、言い訳もできない悪いことであるときちんと理解しているらしい。
「……それで、テティウスよ。ここに伯爵を呼んだのはどういう理由だ?」
「うん。ぼくね、はくしゃくもよくないとおもうの。だって、いんちょうせんせいのところでくらしているこ、えいようがたりなくておなかすかせてた」
「しかし、市場ではふるまいを」