まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 肩の上にいたナビーシャが驚きの声をあげる。
 いや、テティウスがここに連れてきたのだから、何か役割があるのだろうということぐらいは考えておいてほしかったのだが。

「ナビ子しゃんは、かみしゃまのつかいなの。こどもがおなかをすかせるのはだめだって」
「……ですが、殿下」
「はくしゃく、さいごまできいて。ぎんかごまいはぼくがべんしょうする。ミケル、これはかしだから、ちゃんとはたらいてかえしてね」

 銀貨五枚は、テティウスのお小遣いから払う。月に銀貨十枚のお小遣いをもらっているのだが、使うところがなくて貯めっぱなしなのだ。
 ちなみに、銀貨十枚は、日本円に換算すると一万円分ぐらいだろうか。
 どうすればいいのか、昨日ずっと頭を悩ませていたのは嘘ではない。これからもずっとテティウスが食料の支援をするのはそう難しいことではなかったけれど、それではだめだ。

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