まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「いんちょうせんせい、あのたてもののにわは、ひろいでしょ。あそこでおやさいをつくってうればいい」
「ですが、あの土地は貧しくて……肥料を買うお金もありませんし、畑にする人手も」
「さいしょぐらいはおてつだいすりゅ。ナビ子しゃんがそうしろっていうし」
「だからアタシ?」

 テティウスが考えたというより、ナビーシャが神様からのお告げをくれたのだという方が間違いなく話が早く進む。
 そして、テティウスは話を早く進めるためならば、多少の誇張はいいのではないかと考えるタイプだ。

「なまいきなこといってごめんね、はくしゃく。でも、ナビ子しゃんのいうことだから」
「いえ、殿下。そして、ナビーシャ様。手が回らなかったのはこちらの落ち度でございます」

 子供が言うことではないなと思いながらも口にして、それから伯爵に謝罪する。だが、伯爵の方もテティウスの言葉に恥じ入ってしまったようだった。

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