まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「それで、私までここに連れてきたのは?」
「とうさま、ぼくに、はくしゃくのりょーちをえんじょするきょかをください」

 領地のことならば、伯爵と話をすればいい。だが、テティウスはまだ五歳。保護者の許可が必要だ。

「完璧な事後承諾ではないか」
「でも、これがいちばんはやいでしょ」

 テティウスの言葉に、父はしかたなさそうに笑った。

「こちらが口を出すのも申し訳ないが……伯爵、テティウスの望むようにしてやってくれ。財布を盗まれた者には、私からも一言添えてやろう」

 父に、伯爵家の領地に口を出す許可をもらいたくて連れてきたのだが、思っていた以上にテティウスのやりたかったことをわかってくれたみたいだ。
 さすが、父である。

「それで、テティウス。これからどうするのだ?」
「はたけをつくるでしょ。たべきれないぐらいつくるから、たべなかったぶんはかってくれるひとをさがす」
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