まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「私、王都の施設は、よく遊びに行くのよね。友達が先生やってるから――王都の施設は食べ物にはもともと困っていなかったけれど、ちょっとした建物の傷みまでは手が回らないことが多いみたいなのよ」

 詳しく聞いてみれば、たとえば扉にひび割れが発生してしまったり、壁が少し崩れてしまったり。そういったことに慣れた大人がいれば、自分達で修理できる程度のものらしいのだが、施設の職員には不慣れな人が多いらしい。

「……かんがえてみる。たぶん、ねえさまたちのほうがくわしい」
「お願いね。王子様にお願いするのって、ちょっと違う気もするんだけど」
「たみをまもるのはおうぞくのぎむ。ぼく、しってるよ」
「本当に、どうしてこんなに偉い子供が生まれたのかしらね?」

 ネレアは手を伸ばして、テティウスの頭を撫でてくる。悪くないな、と思ってしまうのだからやっぱり心が子供に帰ってしまっているのかもしれない。
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