まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
『魔物を操るのって、本来とても難しいことだからね』

 テティウスにだけ聞こえるナビーシャの声も、今日はいつもより深刻に響いた。

(僕一人の力では、どうにもできないかも)

 戦争になってしまったら、テティウスにできることは限られてしまう。いくら彼が神様から様々な能力をもらっていたとしても、だ。
 指定された広間に向かったら、そこに流星の追跡者達が来ていた。テティウスに呼ばれて会いに来る時とは違い、冒険者としての動きやすい装備を身に付けたままだ。
 彼らが無事に戻ってきたことにほっとしていたら、アクィラはテティウスをそっとソファに座らせた。

「遅くなりました、父上」
「いや、今、彼らも来たところだ」

 両親がソファに並んで座り、母の隣にテティウスが座る。ゼファルスとアクィラは二人で一つのソファに座り、双子も少し離れた場所に座を占めた。
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