まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 四人並んで膝をついた流星の追跡者達は、セリオンだけ少し緊張の面持ちだった。
 レナータは彼ほど緊張していない。ザイオンとネレアはいつもとまったく変わらない様子だ。こういうところに重ねてきた経験の違いが出てくるのかもしれない。

「時間がかかりそうだな。座ってくれ」
「あ、ありがたき幸せ――」

 返すセリオンの声が、少し上ずっているのでつい笑ってしまう。

「殿下、笑わないでくださいよ」
「だって、セリオン、きんちょーしてるから。とうさまはこわくないよ」
「それとこれとは別問題ですよ、殿下――し、失礼いたしました。では、報告を。ザイオス、頼む」

 セリオンの言葉を待っていたかのように、ザイオスがテーブルに地図を広げた。そこに赤い印が付けられている。

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