まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「私が見る限りではそうね。普通はオオカミ型の魔物だって、種類が違えば一つの群れになるってことはないんだけど」

 森で暮らしているネレアがそう言うのなら、珍しい事態が起こっているのは間違いない。もしかして、魔道具でオオカミ型の魔物をまとめて操っているのだろうか。

「……もしかすると、生まれたばかりの子供がいるのかも」

 考え込む表情になったナビーシャは、テーブルに飛び乗った。前足で、印がつけられたところをなぞっている。

「この時期に? オオカミの子が生まれるのは春じゃなかったか?」

 セリオンの疑問も当然だった。
 今はもう秋もかなり深くなっている時期である。春に生まれた子オオカミも、大人とまではいえないにしても、赤ちゃんの時期は脱出しているはずだ。

「それは普通のオオカミの場合。種類にもよるけど、オオカミ型の魔物は生まれてから十年ぐらいは生まれたばかり扱いですからね?」

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