まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 オオカミ型の魔物の場合、寿命が長いため、よちよち歩きの期間もだいぶ長いらしい。
 動物とは違って、親の魔力をもらえばいいから授乳の期間というのはそこまで長くないらしいのだが。

「これは困ったわね。子連れの場合、子供を守るためにどんな動きをするのか読めなくなるもの」

 眉間に皺を寄せたまま、ナビーシャは地図の上に丸くなってしまった。長い尾をゆらゆらと揺らし、みずからの思案の中に沈み込んでしまっているようだ。

「そなた達の調査の結果に感謝する。改めて依頼を出すから、別室で待っていてくれ」
「かしこまりました」

 丁寧に一礼したレナータを先頭に、冒険者達は部屋を出ていく。皆、厳しい顔をしていた。

「魔物が出ているとなると、現場での判断が必要になるだろう。グルバウト王国が侵入してくる可能性は高い。私も騎士団に同行する」
「――あなた!」

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