まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 テティウスとナビーシャが情報収集をしてくれば、父の役に立つことができる。言い訳はあとからいくらでもできるだろうから、夜中にこっそり出かけることに決めた。

 テーブルの上に、書置きを残す。
『神様から呼ばれたのでちょっと出かけてきます』

 実際には神様に呼ばれたわけではないけれど、ここは嘘も方便ということにしておく。

「たくさん着こんだ? アタシも、周囲を快適な温度に保っておくけど」
「だいじょーぶ。たくさんきた」

 冬の寒さは、嫌というほど知っている。
 ヘスティアとユスティナが父に持たせようとしていた魔道具と同じものを一個、騎士団の備品室からこっそり借りてきた。魔力を流すと、ぽかぽかとする魔道具である。
 自分でも同じことはできるだろうけれど、魔力は温存しておいたほうがいいような気がする。
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