まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 それから服を重ね着して、手袋にマフラー。ナビーシャの背中に乗っている分には、これで充分暖かく過ごせるはず。
 収納魔術の中には、三か月分の水と食料。寝袋も入っているし、テントもある。

「じゃあ、行くわよ」

 そう言うのと同時に、ナビーシャはふわりと空に舞い上がった。

(……何回見ても綺麗だね)

 空から見た王都は、たくさんの明かりが煌めいていて、前世で見た夜景にも負けないほど綺麗だった。冬が近づいていて、空気が澄んでいるからか、ずっと遠くまで見渡せるみたいだ。
 きっとあの明かりの下では家族で団らんしていたり、パーティーをしたりしているのだろう。下から見て気づかれないと思うところまで舞い上がったナビーシャは、北へと進路を向ける。

「いい? 一気に飛ぶからね!」
「わかった」

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