まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ナビーシャは速度を上げた。下を見下ろせば、流れる景色がどんどん変化していく。もう、どこにいるのかもわからないほどだった。

「もし、疲れたら寝てしまってもいいからね」
「だいじょーぶ、おきてる」
「無理をするのはだめよ。魔物達に会ってからの方が大変なんだから」
「あい」

 空を飛ぶ興奮からか、今のところはまだ眠気はやってきていない。

「ナビ子しゃんは、ねなくてだいじょーぶ?」
「アタシは二日や三日寝なくても問題ないもの。魔力さえあれば、活動できるからね」

 夜の闇に、黒い猫がまぎれて飛ぶ。ナビーシャは翼をはためかせて速度を上げた。

「ナビ子しゃん、すごいはやい!」
「でしょー! ま、アタシにかかればこんなものよね」

 あっという間に王都を出て、いくつかの街を通り過ぎていく。宣言通り、ナビーシャは休むことなく飛び続けた。
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