まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ナビーシャは、そこから東に進行方向を変えた。
『いいこと? アタシがいいって言うまで、背中から下りないようにね』

(わかった)

 進路を東に変えて、少し行ったかと思うと、そこからふわりと地上に降り立った。

「そこにいるんでしょう? 出てきなさいな」
「これはこれは、神の使いか……」

 ナビーシャの声にしたがって姿を見せたのは、馬ぐらいの大きさはありそうなオオカミだった。闇の中でも白く輝く毛並みが美しい。

「おっきいな! なんのまもの?」
「我はフェンリル――だが、そちらの小さき生き物はなんだ……? 人、人の子なのか?」
「ぼくテティ。よろしくね――ナビ子しゃんといっしょにきみたちにあいにきたの」

 テティウスの言葉に、信じられないというように魔物は頭をそらせた。
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