まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ぼく、テティウス。ナビ子しゃんのけいやくしゃでともだち」
「あらやだ、友達だなんて……」

 たしかにナビーシャとは契約している関係だけれど、それ以上に仲のいい友人でもあると思っている。素直に告げれば、珍しくナビーシャが照れた。

「ええと、オオカミさんたちは、どうしたい? あっちのひとたちをやっつける?」
「それができれば苦労しない。ここ数年、子宝に恵まれる家族が多くてな、子供をかばっていると人間どもを追い払うところまで手が回らないのだ。おまけに妙な魔道具で弱き者達を追い立てる。我の言うことを聞かないのだ」
「フェンリルじゃないまものもいっしょなのはなぜ?」
「同じ祖先から生まれたようなものだからな。我がまとめて保護しているのだ――人間なんて、普段なら簡単に食いちぎってやるのに」

 ぐるる、とフェンリルは唸った。人間を食いちぎるのは物騒なのでやめてもらいたいところだ。

< 232 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop