まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「でも、やっつけたらかたきうちにくるよね?」
「そいつらもやっつければ問題ない――普通ならそうするのだがな」

 またもやフェンリルは唸る。やはり、今の状況は彼にとっては不満であるようだ。

「……ひとがいないところにひっこしするのはどう?」
「だが、どこの土地もすでに他の魔物の縄張りだろう。そこに割り込むとなれば犠牲は大きい」

 魔物は基本的に自分の縄張りを捨てないもの。フェンリル達がこうやって縄張りを離れているのは、本来はとても珍しいことなのである。

「それなら、アタシが探しましょうか? そのくらいの力はあると思うのよ」

 いうなりナビーシャは目を閉じた。
 自分の思考の中に沈み込んでいるみたいだ。

「小さき者よ、そなたはなぜ、神の使いと一緒にいるのだ?」

 目の前にいるフェンリルは、魔物の中でも知能が高いもののようだ。普通にテティウスとの会話が成立している。

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