まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「うん、東の山は今空いているわ。ドラゴンが移動したから、ドラゴンの縄張りが空いてる。まあ、すでに入り込んでいるやつらもいるから、多少は境界でぶつかり合うこともあるだろうけれど、敵対するほどのことにはならないわよ」

 どうやってか知らないが、ナビーシャはこの近くで縄張り主のいない土地を探してくれていたようだ。
 だけど、とフェンリルは首を横に振った。

「我々の足では、そこに行くことはできないだろう」
「テティなら、一度行けば転移魔術を使えるわ。アタシが背中に乗せてちょっと行ってくる」

 オオカミ達の群れを移動させるのは、たやすいことではないが不可能ではない。
 ナビーシャが手を貸してくれるし、うまくいくに決まっている。

「どうする?」
「……群れを集める」

 フェンリルは、顎を突き上げた。

「ウォーン!」

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