まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 長く長く尾を引く遠吠え。そして、押し殺した小さな足音と共に、周囲に魔物達が集まってきた。

「こんなにたくさんのまもにょ、はじめてみた」

 魔物を見たのは初めてではないが、これだけいろいろな種類の魔物が一堂に会しているのを見るのは初めてである。
 しかも、ここにいるのはフェンリルを筆頭にオオカミ型の魔物が中心だ。
 真冬の雪の中でも変わることなく生活できる、雪の魔術を使うスノーウルフ、角の生えたホーンウルフ、特別な魔術は持ち合わせていないが、普通のオオカミの倍ほどもある巨体と鋭い牙が特徴的なブラックウルフ。
 小さなクマの姿をしたリトルベアや、緑色をしたウサギ型の魔物、グラスラビット等、オオカミとは違う種類の魔物も集まり始めている。

「じゃあ、アンタ達は弱い魔物や子供を中心に、強い魔物は外に集まるように並び直しておいて。アタシとテティは、転移先を確認してくるから」

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