まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 光の柱がひときわまばゆく輝いたかと思うと、しゅっと消滅する。そして、光の柱が失われた時には、そこにはもう何一つ残っていなかった。

「ついたー!」

 そして、次の瞬間には皆、はるか遠く離れた山の中に移動していた。テティウスは、ナビーシャの背中から飛び降りる。

「ちょっとつかれたねぇ」
「誰一頭も取りこぼさないようにするのがちょっと大変だったわねぇ……」

 一仕事やり遂げた満足感でいっぱいのテティウスとナビーシャをよそに、魔物達はきょろきょろと周囲を見回していた。
 今までいたのは深い森の中。それが瞬時にしてまったく違う場所に移動していたのだから、どうなっているのかと気になってしかたないのだろう。

「……テティウスとやら」
「あい」
「本当に皆、転移させてくれたのだな」
「もちろーん。ちょっとつかれたけどね。のこってるひとはいないとおもうよ?」

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