まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ナビ子さん、どうしたのだ?」
「ちょっと、テティを連れて出かけないといけなかったのよ。この子、そこで休ませてやってくれないかしら?」

 彼女の背中で寝息を立てているのは、末のテティウスだ。すやすやと眠る姿は、いつも通りだ。
 神のなすことを深く考えてはいけないと思っているのだが、なぜ、自分の子供が神の寵愛を受けることになったのかと頭を悩ませたことがあるのは否定できない。

「魔物については心配しなくてもいいわ。テティが話をつけたから」
「話?」
「ええ――ちょっとテティをそこに寝かせたらお話しましょ。この子、ちょっと無理してしまったし……アタシも疲れた」

 寝台をテティウスに譲り渡し、ナビーシャには冷たい水を皿に出してやる。上品にそれを飲み干したナビーシャはふぅと息をついた。

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