まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 改めて話を始めたナビーシャから詳しい説明を聞いて頭を抱え込んだ。
 どこの世界に魔物の跋(ばっ)扈(こ)する森の中に飛んでいき、大量の魔物を一度に転移させる幼児がいるというのだ。

「ナビ子さん……テティは、まだ子供なのだが?」
「本人がやる気満々だから……アタシ、神様からテティのやりたいことをやらせてやれって言われてるのよね」

 神様とテティウスの間にどんな話があったのか、知る術もないのだが、子供にはあまりにも過酷な運命ではないだろうか。
 思わず手を組み合わせて祈りそうになるけれど、その手をナビーシャの尾が叩く。祈りはそこで却下された。

「大丈夫。テティには、その力があるんだから」
「――だが」
「それに、アタシもいるし。あなた達は、テティに愛情を注いでくれればそれでいい。この子は愛されるべき存在なんだから」

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