まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ナビーシャはゆらゆらと尾を揺らしているけれど、ダモクレスは大きくため息をつく。
 愛情を注げばいいのであれば、テティウスが目を覚ましたらやるべきことは一つである。

「まずは、お説教だな」

 子供が危ないところに行くべきではない。
 ――最初は、心配をさせたことに対する説教。
 それから次は、抱きしめてうんと誉めてやろう。少なくとも、多大な犠牲が出ることは回避できたのだから。

 * * *



 目を覚ました時には、先に出発した父のところにいた。

(……あれ、どうしてこんなところに)

 昨夜は、フェンリル達と一緒にいた。そして、夜明け間近に彼らを転移させてやった。
 フェンリルからお礼を言われていたはずなのだが、そこから先の記憶がない。どうやら、寝落ちしてしまったようだ。

「ナビ子しゃん」
「ナビ子さんなら、いったん王宮に戻ってもらった。事情の説明はしないといけないだろう」
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