まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「とうさま」

 にぱっと笑って父を見上げる。
 父は、いつもより簡素な服装だった。この上から鎧を身に着けるのだろう。

「とうさまのしんだい、よこどりした。ごめんなさい」
「テティ、謝るところが違う」

 寝台を奪ったこと以外に、謝らなければならないことってあっただろうか。じっと見ていたら、父はテティウスを膝の上に抱き上げた。

「危ないことはするな。ひとりで魔物の暮らしているところに行ったと聞いて、肝を冷やしたぞ」
「あぶなくないよ。ナビ子しゃんもいっしょだった」
「それでも、だ。書置き一つで出てきたんだろう。今頃、王宮では皆心配してるぞ」
「むー」
「テティ、父上はそんなに頼りないか?」

 その問いには、首をぶんぶんと横に振る。父が頼りないなんて、そんなことあるはずない。
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