まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 実際に戦っているところを見る機会はほとんどないけれど、たまに剣術の訓練をしているところを見学させてもらうと、騎士団長と同等にやり合っている。

「お前はまだ子供だ。子供には、子供にしかできない時間の使い方がある」

 それは、充分わかっているつもりだけれど。
 でも、放っておけないと思ってしまったのだ。その不満は、しっかりと顔に出ていたみたいだった。

「お前には、すごい力がある。それはよく知っている」
「あい」
「その力で救われる人もたくさんいるだろう――だけどな。その前に、お前は私達の大切な子供で、兄や姉にとっては大切な弟だ。頼むから、一人で突っ走る――いや、ナビ子さんと一緒だったとしても突っ走るのはやめてくれ。先に話をしてほしい」
「はなしをしたらいいっていってくれる?」

 真顔で問いかけたら、父はうーんと唸ってしまった。やはり、それは難しいらしい。

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