まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 誘っても、首を横に振るだけ。よほど外に出たくないのだろうなと諦めた。
 双子はテティウスのカイロを作るために工房に行ってしまい、残されたテティウスはおとなしく暖炉の前でナビーシャに背中を預けた。

(フェンリル達は、元気にやってるかな)

『元気よ。昨日、話をしたけど』

(話をするなら、僕も呼んでくれればよかったのに)

「アンタはもう寝てたし、大人の話だしね」

(僕、もう大人なんですけどー?)

『それは知ってるけど、アンタの身体はまだ子供。子供の身体には睡眠が必要なんだからちゃんとお休みしておきなさい』

 ナビーシャの言葉にも一理あると、しぶしぶテティウスはうなずいた。
 この身体が子供のもので、睡眠時間が必要だというのは事実。不健康な大人になるつもりはないので昼寝も含めてきっちり寝ることにしている。
 異変に気付いたのは、その日の夜のことだった。
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