まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 夕食の席に行ったら、一人足りない。ゼファルスの席は空席のまま。食器類も置かれていなかった。

「あれ、ゼフにいさまは?」
「お熱があるのですって。だから、今日は部屋で夕食にしたの」
「そっかー」

 寒い中でも、ゼファルスとアクィラは外で剣術の稽古をすることが多い。もしかしたら、汗をかいたあと、身体を冷やしてしまったのかもしれない。

(回復魔術をかけてあげた方がいいかな?)

『何が何でも魔術で治しちゃだめよ。やり過ぎると、身体の自己回復力が低下しちゃうからね』

 兄の様子が心配でナビーシャにたずねると、すぐに治さない方がいいと返された。たしかに、回復魔術に頼りすぎるのもよくないかもしれない。
 ゼファルスの様子を見に行きたかったけれど、風邪がうつるのを恐れた母にとめられた。
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