まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 今の身体は、めったなことでは風邪もひかないのだが、心配の種を増やすこともない。先日、思いきり心配させてしまったのをまだ覚えている。
『反省してるの?』

(父様に言われたのがちょっと効いてるかもね)

 フェンリル達を助けたことを後悔しているわけじゃない。この世界に来てから、『やりたいことをやる』と決めた。
 フェンリル達を助けるのは、テティウスのやりたいことに含まれていたわけだし、それを後悔しているわけでもないのだ。
 けれど、『心配させたくない』というのも同時にテティウスの中に存在しているわけで。
 書置きをしておいたから大丈夫だと思ったけれど、戻ってきた時の母の顔を見た時に後悔してしまった。
 前世ではメモを残しておけば問題なかったからその感覚で考えていた。だが、今の身体は実年齢より幼かった。庇護される対象であることがすっかり頭から抜けていた。

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