まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「王妃様、もし、回復魔術が必要ならテティにかけさせればいいわ。この子、多少の病気にはかからないから。毒を盛られてもちょっと大丈夫なぐらいには身体は丈夫よ」
「毒を盛られて大丈夫なのは丈夫ではきかないと思うわ……」

 だが、ナビーシャのその言葉に、母も少し楽になったようだった。
と言いつつも、回復魔術の乱用はよくないというのもわかっているのだろう。ぎりぎりまで、回復魔術を使わないようにしておきたいらしい。
 両腕を組んで、考え込んでしまっている。

「にいさまたち、はやくおきたほうがいい」
「……そうね。テティにお願いするのは気が引けるのだけれど……でも、城下で頑張っている回復魔術師を王宮に呼び戻すのも、ねぇ……」
「ぼく、じぶんがやりたいからやるだけ」

 回復魔術に頼らないようにしたいという両親の方針も理解はできるけれど、必要以上の我慢をすることもない。
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