まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 王宮で働いている人達も、うがい手洗いを徹底し、本当に必要な時だけ、テティウスが回復魔術をかけることで、重傷者は出さずにすんだ。
 ゼファルスとアクィラも、テティウスが回復魔術をかけた翌日には平熱に戻り、その翌日には起き出せるほどの回復ぶりだった。
そして、ベッドを離れることができたとたん、二人とも城下町のことを心配し始めた。

「兄上、城下町の方が気になるな」
「かぜ、たいへん?」
「ああ……関節は痛いし、頭はぐらぐらするし。ひいおじい様が足元に立っているのが見えた」
「アキにいさま、それ、おむかえきちゃってる!」

 曾祖父である先々代の国王は、一昨年前に大往生しているので、見えてしまったのならば、大問題である。

「そうだね。僕達は、テティに回復魔術をかけてもらうことができたけれど」
「かいふくまじゅつ、かけりゅ!」
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