まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「母上が言ってたでしょう。テティはまだ小さいから病気が移ったら大変だって」
「うつらないもん」

 とはいえ、うつらないと力説しても、家族を納得させるのは難しい。すべての病人のところにテティウスが足を運ぶわけにもいかないだろうし。

(こっそり行っちゃうっていうのはどうかな)

『王様と約束したんじゃなかったっけ? 心配させないって』

(むぅ……でもさあ、子供達が苦しいのは嫌なんだよ)

 スピラー伯爵領での経験から、今まで以上に王家も手を差し伸べているけれど、現実問題としては手が回っていないところがたくさんある。

(僕が回るわけにいかないのはわかるけどさ……うがい、手洗い、マスク。あとは室温と、水分……それから栄養、だよね)

『栄養は心配しなくていいんじゃないかしら。施設の子なら、監督官がいるもの』

(……ねえ、ナビ子さん。水に回復魔術をかけたらどうなるかな?)

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