まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 愛称ではなく、きちんとテティウスの名を呼んだ。母の言葉に、テティウスも真顔になる。

「ぼくはやりたい。かあさま――ナビ子しゃんも、てつだってくれるからだいじょーぶ」

 大丈夫、というのがこのところ口癖になっているような気もする。

「わかったわ。この計画書もよくできている。組合に依頼を出す時、冒険者の中でも生活が苦しい人を優先して受けてもらうようにしましょう。あなたは、王宮から出ないようにね」
「あい、かあさま」

 外の様子を見に行くことができれば一番いいのだが、テティウスが外に出るのがまずいというのも理解はできる。
『外の様子を見てくるのは、アタシに任せておきなさいって』

(ナビ子さんがいてくれれば、僕は無敵になれるからね)

 テティウスの頼みで、大きな鍋一杯の水が用意された。まずは、それで挑戦してみようというのである。
 蜂蜜を入れた水にレモンを絞ってもらう。
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