まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 施設や医師のところに運ぶのは、冒険者に依頼を出した。それから、医師の診察を受けられないほど弱っている人がいないか調査するのもお願いをした。
 この水を悪用しないよう、三日後にはすべての効力が失せるように設定しておいた。盗んで家に隠しておいても無駄である。
 効力が失せる頃を見計らい、新しい水を作って配ってもらう。
こうして、一週間もする頃には、城下町も落ち着きを取り戻す。テティウスの能力について、王宮はあまり公にしないようにしてきたけれど、ここにいたって「神の寵愛を受けた子である」という噂が広まり始め、王都ではあがめられる存在になったのだった。

 * * *



 テティウスが「神の寵愛を受けた子」として、王都ではあがめられる存在になった頃――。そんなことはまったく知らないテティウスは、王宮の庭園にいた。

「ゆき、すごいねえ!」

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