まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 最終的には、テティウスの腰ぐらいの高さにまで雪玉を作ることができた。
 それから、同じ作業をもう一度。先に作った雪玉を見ながら、バランスの取れた大きさを目指す。
 出来上がったところで雪玉を持ち上げようとし――大きくて持ち上がらなかった。

「むぅ」

 腕を組み、雪玉を睨みつける。こんなに大きな雪玉、自分一人の力では持ち上げることすらできなかった!

「テティ、何やってるのさ」
「アキにいさま!」

 テティウスが雪玉を睨んでいたら、外に出てきたアクィラがひょいとのぞきこんでくる。
 二つ並んだ雪玉を見比べた彼は、テティウスがやりたかったことにすぐに気づいたみたいだった。

「これ、乗せたいのか?」
「うん。でも、ぼくにはむりだった」
「任せろ――って、重いな? 雪、意外と重いな?」

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