まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 重い重い言いながらも、アクィラはぐっと力を込めて雪玉を持ち上げた。そして、それを最初に作った雪玉の上に乗せてくれる。

「首の周り固めておけよ。転がり落ちないように」
「うん!」

 テティウスは、二つ重ねた雪玉の接着面に新たに雪を押し付けていく。丁寧に固めたら、雪だるまの完成だ。

「……ふぅ」

 自分と同じぐらいの大きさの雪だるまを作って満足していたら、横からアクィラがとんでもないことを言い出した。

「テティだったら、俺に助けてもらわなくても、自分で乗せられたんじゃないか? そういう魔術もあったよな」
「……あ」

 言われてみればそうだった。
 重たいものを持ち上げる魔術もこの世界には存在している。そして、テティウスは、その魔術もある程度使えるようになっていた。
 今作っていた雪だるまの頭サイズなら、人の力を借りなくても簡単に持ち上げることができたはずだ。

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