まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
(形は変えない方がいいよな……入口は小さめに、中は広く。全体的に丸くして)

 最初から中に空間ができるように、完成形をイメージして上から下から雪を固めていく。あっという間に周囲の雪が集められ、真っ白なドームが出来上がった。

「くずれないように、しっかりかためる!」

 丈夫に作ったつもりだが、皆で遊んでいる間に崩れてきては困る。しっかりと現状を保つために硬貨の魔術もかけてかまくらの完成だ。

「うわ、すごい! 雪の家だ!」
「かまくらっていう」

 かまくらが出来上がるのを最初から最後まで眺めていたアクィラはまっさきにかまくらの中に入っていった。

「お、意外とあたたかいな?」
「ここでココアのむ。いいでしょう」
「お、それは楽しそうだ。マシュマロも焼くか? この家溶けちゃうかな」
「だいじょーぶ。ぼくがまじゅつとくまでくずれない」

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