まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 さて、火をつけようかというところで、アツアツのココアも届けられた。

「あっつい」
「テティはもうちょっと待った方がよさそうだね。かきまわしてあげようか?」
「じぶんでできる」

 ゼファルスが手を出すけれど、ココアをかきまわすのぐらい自分でもできる。あまり甘やかされるのはなんだか違うと思ってしまう。
 ポッと火があがり、串に刺したマシュマロにおいしそうな焦げ目がつく。

「いただきまーす」
「私達も入れて!」

 出来上がったばかりの焼きマシュマロを食べようとしていたら、寒いのは嫌だと部屋にいた双子が入口から中を覗き込んでいる。

「ねえさまたちもどうぞ」

 それなりに大きく作ったつもりだけれど、五人も入ればぎゅうぎゅうだ。だが、この狭さもまた意外と心地よかった。
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