まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「そうそう。皆の感謝の気持ちはちゃんと受け取っておけよ」

 反対側から、アクィラが肩を叩いてくる。
 魔道具のコンロを挟んで向かい側にいた双子も、触れたくてそわそわしているみたいだった。

「テティは偉い」
「そうね。テティウスのおかげで、私とヘスのお勉強もずいぶんはかどっているもの」
「ねえさまたち……」

 どうしよう。胸がほかほかと温かくなってくる。
 ちゃんと、今の家族にも愛されているということを実感していたつもりだったのに。

(まだ、皆の気持ちをちゃんとわかっていなかったみたいだ)

 自分が、この世界に来てからもちゃんと生きていくことができそうだと思うと安心した。

 * * *



 テティウス五歳の誕生会で知り合ったスピラー伯爵家のイヴェリアとは、文通をする仲だ。
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