まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「もちろん、ナビ子さんやお前の力を信じていないわけではないよ。だが、心配なものは心配なんだ。お前の父親だからな」

 家族の愛がどんなものなのか、テティウスはちゃんと知っている。父と母が、五人の子供達をどれだけ愛しているのかも。

「あきにいったから、てんいしたらすぐにいける。いってきましゅ」
「……気を付けて行ってきなさい。必要なものは、こちらで用意するから」
「あい。とうさま」

 五歳の子供を一人で家から――ここは王宮なわけだが――のは、どれだけ心配なことだろう。だが、テティウスは普通の子供ではない。

「転移で行くの?」

(その方がいいと思う。魔力は使うけど、一刻も速くイヴちゃんの様子は確認したいしね)

 転移の魔術を使うには、テティウスといえどかなりの魔力を必要とする。
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