まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 オオカミの魔物達を新たな縄張りに送った時には、どれだけの魔力を使ったのか自分でもわからないほどだ。おかげで、父のテントに転がり込んで寝台を奪う羽目に陥った。

「術の制御はアタシに任せておきなさいな。アタシもあの子は気に入ってるの」
「うん。ぼくもイヴちゃんのことすきだよ」

 恋愛感情かと問われたら、それは違うと返す。
 だが、心の年齢が身体の年齢に引きずられている面があるだろうとはいえ、イヴェリアと過ごす時間は楽しいものだった。彼女のような幼い子供に呪いをかけるなんて、信じられない。
 支度を始めようと部屋に急いでいたら、ヘスティアとユスティナが二人揃って駆け寄ってきた。

「テティ、話は聞いたわ! 私達にも手伝わせてちょうだい。イヴェリア嬢へお見舞いを持って行って。使い方は、こちらの手紙を渡せばわかるから」
「私とユスが作った」
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