まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「お黙りなさい。テティウス王子と、ナビーシャ・ビビエッタ・コレリーが来てやったわよ。さあ、早くイヴちゃんのところにアタシ達を連れて行きなさい」

 胸をそらせるナビーシャと、その背中に乗っているテティウス。秋に訪れたばかりということもあり、相手もすぐにこちらが何者なのか気づいた様子だった。

「――殿下! それに、ナビ子様! 大変失礼いたしました!」
「ナビーシャ・ビビエッタ・コレリーだって言ってるでしょ!」

 皆が「ナビ子」「ナビ子」と呼ぶので、騎士達の間でもそれで定着してしまったそうだ。本来の意味を知っているのはテティウスだけではあるけれど。
 ぴしりと姿勢を正した騎士達は、恭(うやうや)しくナビーシャの両脇を固める。扉を開き、中へと案内してくれた。

「まったく……治療が終わったら、そのあたりのことも改めてもらわないといけないわねっ!」

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