まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
第八章 まるっとおまけな人生だからできることはやりたいよね

 イヴェリアがベッドから出られたのは、それから三日後のことだった。
 あの時、イヴェリアのベッドで眠り込んでしまったテティウスは、伯爵によって客間に運ばれた。
 食事もとらず一晩丸々眠り続けたテティウスのことも、伯爵家の人達は心配してくれたそうだ。

「殿下、娘を助けてくださってありがとうございました」
「どういたしまして。ぼくがやったのは、イヴちゃんがげんきになるおてつだいだけ」

 呪いは祓ったものの、身体が受けたダメージそのものまで相手に返せたわけではない。
 身体の回復を促進する魔術を毎日少しずつかけて、ようやくベッドから降りる許可を出せた。
 最初から全部治してしまうこともできたけれど、呪いにむしばまれた身体を一気に治してしまうのは怖かった。
 身体の回復力を失わせる結果になりかねないとナビーシャからも忠告を受けて、回復を促進させることだけに専念したのである。
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