まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 イヴェリアが眠っている間は、隣の部屋でナビーシャとゆっくり過ごしていた。それから、家の中にこもりきりはよくないというナビーシャの忠告を受けて、外にも出かけた。

「テティ様、見て見て!」

 と、子供達が、施設で育てた野菜を見せてくれたり、修理屋さんの仕事ぶりを見せてくれたり。自分の教えたことが役に立ってほっとした。
 子供達の間ではナビーシャも大人気。遠慮なく撫で回されるのは、少しばかり迷惑だったかもしれないけれど、子供達の相手をしてくれた。

(いろいろあったけど、来てみてよかったな)

 イヴェリアも元気になったし、伯爵領を見て回れた。今回の訪問は、大きな収穫があったと言ってもいい。
 そして、イヴェリアが元気になったなら、テティウスは王宮に帰らねばならない。
 リュックサックに山ほどお菓子を詰めてもらい、両親への手紙も渡されて、帰宅の途につくことになる。
< 303 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop