まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 帰りは転移魔術で一気に飛ぶ。応接間で別れることになった。

「テティ様、また遊びに来てくれる?」

 イヴェリアは大きな目でテティウスを見つめる。

「もちろん。とうさまとかあさまがいいよっていったら、またにいさまやねえさまたちといっしょにくるね」
「はい、お待ちしていますね」

 花開くように笑ったイヴェリアは、ちょっぴり頬を赤くした。それを見たテティウスも、耳が熱くなった気がする。
 初めて訪れた王都以外の地だからか、テティウスにとってもても大切な場所になりつつあるような気がする。

「じゃあ、またね!」

 さようならと伯爵家の人達が深々と頭を下げる中、テティウスとナビーシャは一気に王宮へと飛んだ。飛んだ先は、父の執務室である。

「ただいまかえりましたー!」
「……お帰り」

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