まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 ちょうど仕事中だった父は、手をとめてテティウスを手招きした。ナビーシャから降りて父に近づけば、膝に乗せられる。

「よくやった。偉いぞ」
「とうさまが、ぼくをいかせてくれたからです。それで、イヴちゃんをのろったひとはつかまりましたか?」

 きゅっと力を込めて引き寄せられ、テティウスは父の胸に頭をすりつけた。伯爵家では大切にしてもらったけれど、数日、人の家にいたから少し疲れたみたいだ。

「自首してきたから、地下牢に閉じ込めてある。黒幕までは白状しないが、それも時間の問題だろう」

 テティウスとナビーシャがかけた地味に嫌な呪いだけではなく、イヴェリアが受けた苦痛を何倍にもしてお返しさせてもらった。
 術者の耳元で「自首すれば楽になる」と囁き続ける呪いの効果もあいまって、思っていたより早く自首してきたらしい。

「とうさま。ぼく、ちかろうにいっちゃだめですか?」
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