まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「子供に見せるようなものでは――」
「ぼくがはなしをするひつようがあるとおもうんです。だって、のろいをおかえししたのはぼくだから、ぼくがちゃんとはなしをしないと」

 テティウスの言葉に、父は目を見開いた。唇を強く引き結び、懸命に思考を巡らせているようだ。それから彼は、テティウスの頭に手を置いた。

「テティは、私が思っているよりもずっと大人なのだな」
「そういうわけじゃ、ないとおもいましゅ」

 大人に見えているのだとしたら、前世の記憶がものを言っているのだろう。
 テティウスは、自分の意思で呪いを返した。人を呪い返すという選択をした以上、その責任を果たさなくてはならない。

「ぼくは、やりたくないことはやりません。のろいをかけたひととはなしをするのは、ぼくがやりたいからやるんです。もしかしたら、いらいしたひとをはなしてくれるかも」
「……だがな」
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