まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「王様、アタシからもいいかしら? テティなら大丈夫。だめそうなら、アタシが責任を持ってテティを牢から連れ出すわ」
「ナビ子さんにそう言われてしまってはな……」

 ナビ子さんじゃないんだけど、と口の中でぶつぶついいながらも、ナビーシャは尾でぺしぺしと床を叩いた。その様子を見ていると、安心してもいい気がしてくるから不思議なものだ。

「わかった。話をしてくれ――ただし、私も同行する」

 父が同行することを条件に、地下牢へ行くことを許された。

(できることなら、父様にはあまり見せたくなかったんだけどな――)

『アンタのことを愛しているのよ。アンタを理解しようとしている。たくさんの愛と共にね。恐れずに、アンタ自身を見せてあげなさい。彼が離れていくことはないから』

(うん、そうだね)

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