まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「ナビ子さんじゃないってば! アタシは、ナビーシャ・ビビエッタ・コレリー。この世界の女神アスタナの意を受けて地上に降りた神獣よ!」

 男の前でナビーシャは尾をピンと立てた。
 身体を膨らませたかと思うと、彼女はどんどん大きくなる。頭の高さが父の頭と同じぐらいの高さになるまで大きくなると、彼女はずいと男の方に顔を寄せた。

「アンタの足が痒いのも、夢の中でうなされるのも、ぜーんぶアタシとテティがアンタの呪いをいじったせい。知ってる限りのことを吐きなさい。さもないと、アンタの魂は、永遠に地獄をさまようことになるわよ」

 フシュッと鼻を膨らませながら囁かれ、男は一歩、後ろに下がった。手がわずかに震えているのをテティウスは見逃さなかった。

「おじさん、あしのうら、もうかゆくないでしょ?」
「え……? あ、本当だ……」

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