まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 スピラー伯爵家と王家の子供達が親しくしているという噂がどこかから広がり、イヴェリアを呪うことに繋がったようだ。

(……イヴちゃんは、僕の大切な友達なのに)

 今回の人生では、友人を作るのも難しい。それは立場上しかたのないこととわかっていても、初めての友人をこんな形で傷つけられたくなかった。

「おじさんがしってるのは、それだけ?」
「そ、それだけだとも」

 先ほど、男の前で口にしたのは本音だ。
 男をできるだけ苦しめてから殺してやりたいという欲求は、テティウスの中にも存在する。
 ――でも。
 イヴェリアはそれを望まないだろうし、実のところ、テティウスもまだ決意できていない――人の命を奪う決意までは。

「とうさま」
「なんだ?」
「このおじさん、とてもいいまりょくをもっています。きょーせーろーどーさせるなら、ませきにまりょくをこめるしごとがいいんじゃないかな」
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