まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
「にいさま、いたい」
「余計なこと考えるなって。依頼として出されたら、あいつらも恐縮しちゃうだろ? たまーに、お茶とか食事に招待するぐらいでちょうどいいんだよ」
「おちゃはともかくしょくじはきんちょーしない?」

 以前、兄や姉だけではなく両親もいる食事会に彼らを招待したことがあった。レナータはともかく、それ以外の面々は、緊張で食事の味がわからなかったらしい。
 あとで聞いたところによると、レナータも実は緊張していたそうだ。
 全員、緊張を顔に出さないよう必死だったけれど、それに成功したのがレナータだけだったというわけだ。

「なら、お茶にしとくか?」
「そうする。みなが、かえってきたら」

 帰ってきたら連絡がほしいとギルドに伝言を残してあるから、本当に王都にはいないのだろう。

「テティウス殿下。こちらにいらっしゃいましたか」
「どうしたの?」

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