まるっとおまけな人生だから、今度は好きに生きていいよねっ
 テティウスの疑問に答えたのはアクィラだった。

「迷宮変化の調査だろうな」
「ちょうさですか?」
「ほら、前に出現する魔物が変化したことがあっただろう」
「はい、おぼえていましゅ」

 あの時、テティウスも大変な目に遭ったのを忘れてはいない。王宮と迷宮が繋がるなんて、誰が予想しただろう。
 ナビーシャがたまたま一緒に飛ばされてくれたから助かったけれど、一人だけ飛ばされていたらと思うとぞっとする。

「父上が、核を破壊するように依頼を出したんだ」
「かくをはかい……? でも、そうしたらめいきゅうがかつどうとめちゃうんじゃ」

 どの迷宮にも核が存在するが、その核を破壊すると、迷宮そのものが活動を停止するのだ。自然にできた迷宮は、核を破壊されるとその形だけを残すという。

「でも、その方が安心だって話になったんだよ。もともと、王宮に近い位置にある迷宮だしな」

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